雨ざらしになったソファカバー

ベランダに設置されているソファー

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お客様から写真が送られてきました。 雨よけの屋根があるのでしょうか。それとも屋根がないのでしょうか。かなりひどいことになっています。カビとともに緑色の苔(こけ)のようなものがソファカバーの下の方にびっしりついています。 お客様の事情で急いでいてお困りのようなので、カバーをはずしてもらい、クリーニングをお受けしました。

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苔とよごれの箇所を確認

前の写真で見たように、広げてみると下の部分が緑色で苔が付着しています。上部には黒い線が入り、他にも戸外に長く置いてあったようで、全体的にかなり汚れています。全部でソファカバーが7点、クッションカバーが3点、すべて同じように汚れています。

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縮まないで汚れを除去するソファカバークリーニング

こうしたソファカバーのクリーニングは、1点1点手洗いとなります。まずシャワーをかけます。40℃のお湯です。 ソファカバーの素材は粗い目の生地が多くのでその分縮みやすく、それにぴったりサイズで作られているので、すこしでも縮んだりすると使えなくなります。高い温度は縮みの原因となります。生地に十分お湯を生地に染みこませ、汚れになじませます。
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洗浄能力の高い天然石けん

前処理剤として特別に作られた石けん溶剤をスプレーします。 ソファカバーは通常ドライクリーニングです。一般のクリーニング店では縮みを恐れて縮みの少ないドライクリーニングで作業するのですが、ドライクリーニングでは今回のような水溶性の汚れはほとんど取れないでしょう。 クリーニングのデアでは原則的に水洗いをしています。 水洗いでソファカバーが縮むのは、汚れを取るために洗浄マシーンで激しく洗い、脱水し、高い温度の乾燥機で乾燥して短時間で処理してしまうことが原因となります。高い温度と、かき回して繊維に負荷をかけるのがいけないのです。
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クエン酸とグルコン酸を調合したデアの石けん

クリーニングのデアでは合成洗剤を使いません。合成洗剤は、石油から作られているので、水との親和性が良くなく、水溶性の汚れがなじみにくく十分汚れが取れません。石けんは動植物油脂から作っているので、もともと水溶性の汚れと親和性が高くなじみやすいので汚れが取れやすいのです。
さらにこの石鹸にはグルコン酸とクエン酸をキレート剤として調合してあります。このキレート剤は汚れとの親和性を高める役割を持っています。グルコン酸は蜂蜜からクエン酸は柑橘類から作られており、石鹸そのものはお米の油脂から作られているので、なめても安全です。繊維に負荷をかけなくても汚れが取れる石鹸として、クリーニング用特別洗剤として作りました。

ブラッシング

汚れが強いのでブラッシングして汚れを取ります。

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ブラッシングした部分の汚れが取れてきました。

続いて、ソファカバーの上部の黒い線にもブラッシングします。

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同じように汚れが取れてきました。 苔の汚れと黒い線は、汚れが取れても、うっすら跡が残っています。 これで通常の洗い方では変色してしまっっている部分や、色素の跡が残るだろうと予測できます。 次の作業の方針が決まります。最終的には漂白作業のクリーニングになるでしょう。

ソファーカバーを2槽式洗濯機へ

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2槽式洗濯機の中に入れて洗濯をします。これは全体的な汚れを取るための作業です。 これで汚れがすべて取れるわけではありません。 このソファーカバーの汚れは1回の処理では取れるものではなく、何回かの工程を経てやっと取れるというようなやや面倒なお品物です。

洗濯槽の液が濁ってきた

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お湯にデアの粉石鹸を入れ、回しているとみるみる液が濁ってきました。 2槽式洗濯機の良いところは洗濯中の品物が見えることです。洗濯されている状態を観察しながら作業が出来るのです。

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大半の汚れはこれで落とすことが出来ましたが、やはり苔の緑の色素や黒い線の変色した跡が残っています。

漂白作業

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漂白作業です。酸素系漂白剤を入れた溶剤につけ込みます。酸素系漂白剤(家庭ではワイドハイターなど)は白いもの以外に使用します。

自然乾燥

ソファカバークリーニングでは、乾燥機は使いません。ソファカバーは高い温度と、攪拌されて負荷がかかると縮んでしまうからです。 自然乾燥しますが、微妙な汚れは乾いてみないとわかりません。

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やはりうっすらと汚れが残っていました。 どんなクリーニング店でもここまでの作業で終了です。「これ以上やりますと繊維を傷めてしまいます」とお客様に返してしまします。

特殊漂白

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再度もう一度漂白作業です。これには特殊な漂白剤を使用します。 酸素系漂白剤には限界があります。クリーニングのデアでは長年の経験から、繊維を傷めないでかつ効果の高い漂白剤を開発しました。

そして再度自然乾燥

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すっかりきれいになり、もとのソファカバーに戻りました。

手仕上げアイロン(プレス)

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業務用アイロンで仕上げます。 洋服のアイロンと違って、ソファカバーのアイロンのかけ方は出す蒸気は、最初は多くすぐに少なくしてプレスしていきます。シワを十分に伸ばすやりかたです。 この蒸気の調節は家庭アイロンでは出来ません。

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あんなに汚れていたのが嘘のようにきれいになっています。
ソファカバーによっては複雑な形状のもあります。 特にL字型のソファカバーはアイロン掛けも複雑になります。

ソファカバーの数は 座面、背面、クッションカバーなどを入れると合計10点。
大きいものから、小さいものまですみずみまで丁寧にアイロンをかけていきます。

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今回のソファカバークリーニングは、難しく大変手間もかかりました。 お客様から喜ばれましたので、クリーニング職人冥利に尽きるやりがいのある仕事でした。

クリーニングについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

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