家庭でできる洗濯の仕方、シミ抜き方法をクリーニングのプロが解説!~家庭でできるダウンジャケットのしみ抜き~

家庭でできるダウンジャケットのしみ抜き

衣類を着用していると、知らない間に染み、汚れがついてしまったということがあります。それをクリーニング店にお願いしても、「これ以上処理しますと生地が痛みます」というようなタグが付けられて、もどってくることが多いのではないでしょうか?
それなら、「自分でとる!」と思われる方に、しみ抜き方法を解説いたします。

バーバリーのダウンジャケット。よくあるダウンと違って表地は布生地です。
一般のクリーニング店ではダウンウエアはドライクリーニングしかしませんので、ドライクリーニングは油溶性ですから、食べ汚しなど水溶性の汚れは取れてきません。その後、家で軽く水洗いしたら取れた、ということもよくあることです。
左袖に茶色いシミが見えます。お客様からは、何の染みかわからないということです。
しみ抜き依頼は、たいてい何の染みかわからないのがほとんどです。
品質表示を見てみます。ウールとポリエステルの混紡素材です。ウールでもカシミヤ、アンゴラ、シルクの場合、洗濯機に入れてがんがん洗うと繊維が水の膨潤によって傷んでしまいます。手洗いが原則です。
染みは、大きく分けて水溶性の汚れと油溶性の汚れがあり、水溶性には洗剤をかける、油溶性には油溶性のベンジンなどをその部分にかけると滲んできたりしますので、それで判断します。
両方ともやってみましたが、反応はありません。どうやら違った性質のもののようです。茶色の色の場合は鉄サビが考えられます。
錆落としを歯ブラシにつけて軽くブラッシングします。反応があったようです。
一般的な鉄錆は、アルカリの性質がありますので、酸性の溶剤で中和させて落とすのが効果的です。クエン酸が透明で良いのですが、あとで洗い流しますのでお酢でも構いません。しばらく置いてください。
浮き出てきた鉄さびを石鹸でブラッシングします。石鹸がなければ家庭用洗濯石鹸の原液を使ってください。残った酸をアルカリで中和するという意味もあります。
ほぼ取れましたね。これで本洗濯をするとすっかりキレイになると思います。後は全体的に汚れたところをブラッシングして行きます。
袖口から、襟元をブラッシング。
裾の裏地部分にも汚れがありました。ちょっと黄ばんでいるようです。この場合は、酸素系漂白剤を使います。薄めたハイターまたはブライトを塗りつけます。ブラッシングしてしばらく置くと、白くなってきます。これはシャツの黄ばみや汗ジミなど、部分的な黄ばみには力を発揮します。通常の漂白は漬け込み方法でやることが多いのですが、これは短時間でできますの便利です。

この後は本洗、自然乾燥、羽毛をほぐすタンブリングとなります。

以降の洗濯方法は、
「ダウンジャケットの高級洗濯のコツ!」
「汚れのひどいダウンの洗い方-モンクレール篇」を参考にしてください。

アイロン仕上げです。アイロンを押さえないで、滑らすように蒸気を出すのが、上手なダウンジャケットのアイロン方法です。

ダウンウエアのアイロン仕上げは「ダウンジャケットの高級洗濯のコツ!」の
ダウンウエアのアイロン仕上げに詳しく解説しています。参考にしてください。

キレイに仕上がりました。ダウンの嵩も洗濯前より増えた感じです。
鉄サビの跡もすっかりなくなりました。

 

家庭で落としきれない場合や洗えない品物はデアにご相談ください。

  1. ブランドダウン
  2. 料金表
  3. ご注文

 

しみ抜き特別編
ネズミ取り粘着がついてしまった!

ダウンジャケットの前、肩にネズミ取り用の粘着液がついてしまった珍しい事件です。
これはクリーニング店に持っていっても処理方法がわからない、他の品物に付いてしまうなどの理由で断られてしまいます。
除去する方法があります。ネットではサラダ油、ベンジンを使う。はたまたガムテープで剥がすなど、
意見はいろいろありますが、全てダメです。
酢酸アミールという溶剤を使います。松ヤニなど頑固なベタつきを、クリアーにする高級品質の溶剤です。500円ほどで市販されています。ナシに似た芳香をもつ無色の液体で香料にも利用されています。
それをふりかけてしばらく置いておくと、粘着力がなくなって固くなってきます。
それをタオルか何かにくっつけるようにして、剥ぎ取っていくのです。
こんなふうにして。まだ粘着力がありますから伸びていきます。
かなり根気のいる作業ですが、ほぼ取れてしまいました。しかし細かい残滓が繊維の中やニメなどに
残っています。最後の仕上げですが、ここからが油性のドライクリーニングの出番です。普通のクリーニング店にドライクリーニングしてくださいと依頼すれば、キレイに仕上がってくるはずです。

「家庭でできるしみ抜き方法」のおさらい

効率を重視する一般のクリーニング店では手間のかかるしみ抜きは、失敗するリスクも多いので、断られることが多いようです。それなら自分たちでやってみましょう。しみ抜きは、方法を知っていればそれほど難しくありません。あとは創意と工夫です。先程解説しましたハイター、ブライトを使った簡単な黄ばみのとり方、プロでも難しい黒くなったカビのとり方なども、洗濯上手な主婦から教えてもらった程です。
以下、しみ抜き溶剤についてご説明します。

 

次回は、「ダウンジャケットの高級洗濯のコツ」です。

しみ抜きの洗剤・溶剤について

家庭では食器洗いの中性洗剤、液体洗剤が使いやすくて便利です。他に台所用マジックリン、オレンジオイル、液体洗剤、重曹を混ぜて使うと強力なシミ、汚れ落とし調合剤が出来ます。この調合剤はたいていのシミが落ちます。重曹だけはあらかじめ調合しないで、使うときに衣類に少し振りかけて使います。重曹はすぐに溶けないので、柔らかい研磨剤の役割もしてくれてます。

マジックリンは、お風呂用のマジックリンはカビを落とすために塩素系漂白剤が混入されていますので厳禁です。
油性のしみ抜きには、ベンジン、アルコール(エタノール)、クレンジングオイル、除光液など。除光液はペンキや、接着剤のしみ抜きに使いますが、アセテートなど1部の繊維には使えません。
他に血液のしみ抜きに、虫さされ用アンモニア水があります。

しみ抜き専門家はシンナー、アセトン(除光液に含まれている)、酢酸アミル、ドライ溶剤、シュウ酸、酢酸、アンモニア、酵素剤(血液)クエン酸など、他に調合されたしみ抜き剤を使用します。
酢酸アミル、シュウ酸などの有機溶剤は劇薬として指定されていますので、一般家庭では手に入りません。

漂白剤は大きく分けて、酸化漂白剤と還元漂白剤があり、一般的に酸化系漂白剤が多く使われます。
酸化漂白は、相手に酸素を与えて色素を破壊し、還元漂白は、相手から酸素を奪って色素を破壊します。
酸化系漂白剤野中にはシルク、ウール、ナイロン以外に使用できる白物塩素系漂白剤と色柄ものに使用する酸素系漂白剤があります。
ナイロンには塩素系漂白剤は使えません。

オレンジオイルは柑橘類(かんきつるい)の皮に含まれているオイルを抽出した天然洗剤。強力な洗浄力を持つ中性洗剤で手荒れも少なく安全です。台所用マジックリンはアルカリ性が強いので、手荒れが気になる場合は、オレンジオイルを洗うのが望ましいです。

重曹の効用

重曹というと、豆や青菜を煮るときに入れ、柔らかくしたりアク抜きしたり色鮮やかに仕上げたりするもので、食品添加物です。
重曹の洗浄効果はどの位あるかを試してみると、その効果と応用範囲に驚きます。
家庭内のキッチン用洗剤、トイレ用洗剤、お風呂用洗剤、食洗機用洗剤、などなど

重曹の特長

  • 弱アルカリ性で、そのまま排水として流してもpHの排水基準を超えません。食品だから人に無害で、環境にも優しいオールマイティな洗濯溶剤です。
    又、殆どの汚れは+(プラス)イオンである為に、-(マイナス)の重曹(重炭酸イオン)と中和されて洗い流されやすくなります。
  • 酸性のニオイを中和、消してくれます。
  • 洗剤に重曹を添加して使うと洗浄力が増します。
  • 漂白剤に混ぜて使うと漂白力がまします。

粉のまま使うと、クレンザーなどより、柔らかい研磨剤の役割をするので、台所のシンク、お風呂磨きに向いています。また排水口のぬめりも無くなります。

シミの取り方

道具

水溶性の染み

タオル、歯ブラシ、柄のついた小型のたわし

油、ペンキ

ベンジン、アルコールなどを浸けるため、シミの大きさに合わせて綿棒やお箸にガーゼを巻きつけ、輪ゴムで留めます。

※ペンキは種類や染み込んだ素材によって、また時間が経ってしまったもの、繊維の中まで入り込んでしまったものは、プロでも歯が立たないものがあります。

シミ抜き方法

  • 油汚れ、食べ汚しでは処理方法が違ってきますので、まずシミをよく観察することから始まります。
  • パッと見て、白、黄色、茶色のシミは、水溶性、黒っぽいのは油溶性のシミである確率が高いです。サビは茶色で不溶性ですので、処理が違います。
  • 更に虫眼鏡で見ると状態がよくわかります。繊維にからみついて浮き出ているか?繊維の中に染みこんでいるかなどです。繊維にからみついて浮き出ているのは、油溶性の染み、繊維の中に染みこんでいるのは水溶性のシミではないかと大まかな推測が出来ます。
  • 乾いたチョコレート、味噌汁などで固形となっているものは、ブラッシングや揉んだけで取れてしまうものがあります。これは繊維にからみついただけで固形物となっているので、ブラッシングだけではがれてくれたのです。
  • 水性のペンキなどもごわごわに乾いているなら、先によく揉み込むとかなりはがれますので、ベンジンまたは除光液をかけ、歯ブラシでこすります。除光液はアセトンが入っていますので、アセテート繊維には使えません。
  • ファンデーションは、水性のものと油性のものがあり、どちらなのか判断が難しいので、先にベンジン、アルコールなどの有機溶剤で取ります。裏にタオルを敷いてガーデ棒で叩き出します。歯ブラシを使った方が効果的です。やり始めると染み部分が薄くなってきたら、取れると思って、作業を繰り返して下さい。薄くなったけれどそれ以上はダメな場合は、乾いた後で、液体洗剤(食器用中性洗剤)重曹をつけて、歯ブラシでこすって見て下さい。それで変化が無ければ、酸化・変色してしまっているので、漂白作業となります。
  • 水溶性のシミの取り方は、染み自体が簡単な汚れではないので、洗浄力の強い洗剤を使います。台所用マジックリン、オレンジオイル、液体洗剤を混ぜて調合洗剤を作ります。調合洗剤はスプレー容器に入れておきます。まずシミの部分を濡らし、スプレー容器の調合洗剤を吹きかけます。重曹を振りかけて、ブラッシングします。これでたいていの汚れは取れます。お湯(60度まで)にするともっと洗浄力が増します。

 

家庭で落としきれない場合や洗えない品物はデアにご相談ください。

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